ロートアイアン豆知識
パーツ組立に必要な道具
レッキーメタルのロートアイアンパーツは、そのほとんどがパーツ単体では用を為しません。デザインされた手摺、窓格子、門扉、フェンスなどを正確に短期にきれいに形にするためには、鉄材を加工する道具が不可欠です。ロートアイアン・火造り専門の工場やアイアンクラフトメーカーでなくても、普段鉄材を使って建築用金物の組立加工をしている鉄工所や店舗金物製作所で、通常ある設備、道具で問題なくレッキーメタルのパーツを使った建築用ロートアイアン製品の組立加工ができます。日本国内で手に入る鋼材で間に合う材料は混在使用できますので、よりコストのかからない選択が可能です。 また、ご興味があって最初から始めてみたい方でも、組立に見合ったスペース、電気などの基本設備、最低限の安全知識をご用意いただいた上、下記の道具類をそろえれば、どなたでも製作することは可能です。
切断の道具
長さ寸法を出すには切断砥石でカットするのが一般的です。高速切断機の角度切り可能タイプでOKです。ハンドディスクグラインダーに切断砥石をつけて切断したほうが便利な場合もあります。
バンドソー、メタルソーなら正確な寸法出しもできます。ガス切断トーチでアバウトに切ってグラインダーで仕上げてもなんとかなります。
バンドソー、メタルソーなら正確な寸法出しもできます。ガス切断トーチでアバウトに切ってグラインダーで仕上げてもなんとかなります。
溶接の道具
パーツの組立は溶接をします。特殊な溶接ではないので、手溶接、半自動、TIGなどの手馴れた溶接機をお使いいただけます。組立てた製品はパイプ製とかアルミ製に比べるとかなり重くなりますので、強度が必要な溶接か所は十分な線溶接をしてください。
半自動溶接機による溶接
アーク溶接もまだまだ健在
仕上げの道具
溶接か所などを仕上げる必要がある場合は、ディスクグラインダーに研削砥石をつけて仕上げます。ハンドレール同士の継目など特に目立つ所でも#120程度まで仕上げれば十分でしょう。必要に応じてリューター、ベルトサンダー、手ヤスリなども使います。特に溶接時にまわりに付着したスパッタは、入念に取去りしましょう。
ディスクサンダーでの研削仕上げ
ハンドレールの継目は目立つので特に入念に仕上げます
矯正の道具
直線部分のソリや通りのズレは、加熱せずに直したほうがうまくいく場合があります。1~2kg程度のハンマーと台(アンビル、金敷き、金床など)の用意があればいろいろできます。油圧パイプベンダーも使える時があります。いずれの場合でも道具跡の傷が目立たないように工夫してください。
冷間で矯正したほうがうまく直る場合もあります
加熱の道具
鉄が赤くなるまで加熱できるバーナー、トーチは、唐草の曲がり具合を直して使う時や、葉っぱの向きやヒネリ具合を変えるときに必要です。バンド巻の時やリベットカシメの時も必要です。鉄工所で普通に使用している酸素アセチレンバーナーなどが使えます。
パーツの再加工に必要なバーナー