2.たて子デザインのアレンジ・・・2.たて子に唐草装飾を組込む
■ たて子に唐草の装飾を付け加えましょう。唐草の個数、並べ方、角度によって表情が変わって見えますので、簡単ですが奥の深いデザイン技法です。
2-2-1: ワンタッチ取付のC唐草パネル
431.12.042 は12X12角棒に横から差し込んで使う唐草パネルで、コの字に加工したバンド材にC唐草2個が組合わさっています。裏側で溶接するだけで簡単にX模様の唐草をたて子に付加できる簡易型です。仕上げると裏側はたて子とツライチとなり、バンド材は回っていません。Fig.2-2-1図ではたて子上下の中心に並べました。パーツの巾が140mmありますので1本おきです。
この図ではたて子のアキが106mmほどありますので、
410.20.042、441.20.042、442.20.042までのC唐草が入れられ、ひと手間かかりますが同じタイプのデザインが出来ます。ただしバンド材は省略です。
2-2-2: ワンタッチ取付のS唐草パネル
432.12.042も同じ取付方法の唐草パネルです。上下の巻きの大きさが違うS唐草が向き合った形をしています。上下2列で並べてみましたが上列と下列でハーツを180°ひっくり返して使いました。しかも、隣同士のたて子に配置したので、下段の唐草は親柱の脇にも欲しくなりますね。そこで007.20.042を使いました。バンド材はありません。
その他2-2-1と同様、巾100mmまでの単体S唐草を向かい合わせて使うことができます。
2-2-3: 葉のパーツも利用できる
たて子を挟んで向かい合わせにデザインできるパーツを他にも探してみましょう。パーツカタログvol.5の「葉」の分類にもいくつかあり100、101、102ページに使えそうなものが出ています。
2-2-3図では比較的小さな245.05.000と246.05.000を3段使いプラスアルファにしてみました。「葉」のパーツは表裏がありますので、向かい合わせで使うときは対称同士のものを選びましょう。
2-2-4: 置き方を変えると表情も変わる
両端の巻込みの大きさが異なるS唐草、ここでは450.20.042をボトムレールに接して並べ、置き方によるデザインニュアンスの違いを見てみましょう。
図面上であれこれ考えるより、現物を実際に並べてみた方が直感的かつ効率的な一例です。
2-2-5: 複数のC唐草パーツを一つのパーツのように見せる
2-2-1のC唐草は背中合わせというかX字状の形でしたが、この図Aではリンゴの断面のように組合せパターン化したものを配置してみました。図B以降は角度を付けたパーツ4個でひと塊のパターンを作っています。図Bは3段組みではありますが、1スパンの中でシンメトリーになっている印象の方が強くなりました。図Dは階段勾配に沿った並びのまま下段のパターンがハンドレールまで続いています。水平部のパターンもこれと平行に配し、アブノーマル感がでました。どことなく和風の感じもします。
2-2-6: P唐草パーツを配置してみる
P唐草は渦巻ひとつの唐草パーツです。133.20.042をカットせずにたて子間に収まるアイデアをまとめました。
図Aは水平部のスパンの3段組み手法を勾配部に持っていくとバランスを崩してしまう例です。図Bのように唐草全部をひとグループにしてコピー&ペーストすれば見栄えが良くなります。
図Cでは次のルールに従って唐草を配置してみました。
図Dもひと味違ったザックリした大柄なパターンができました。たて子一本おきにネジリ模様入りのたて子001.40.024と002.40.024を入れてバランスを取りました。
2-2-7: 直線入りC,S唐草を使う
CやS唐草の一部が切返し直線になったパーツは、手軽に美しいロートアイアンパターンを得られるので人気があります。Vol.5カタログでは008ページに掲載されています。
図Aのように2段重ねのパーツを向い合わせに並べて出来るバターンが基本となります。上欄2-2-6図Bでご説明したように、唐草4個をひとグループにして配置してみると、図Bのように勾配部での見栄えがよくなります。
図Cは2個ひとグループにしたパーツを目いっぱい上下に振り分けて2段組みにし、アクセントにスパン中央のたて子をバスケット模様のたて子045.40.024に取換えました。
2種類のパーツ458.20.042と456.20.042を組み合わせた図Dはパターンが何かの動物のように見えませんか? たて子も何本かを131.40.024にして、遊びの要素を足してみました。
■ 繰返しパターンをいかに魅力的なデザインに仕上げるかはロートアイアンを組む上で最も基本的な考え方のひとつであり、またある意味では際限のない、デザインへの挑戦となるのかもしれませんね。