2.たて子デザインのアレンジ・・・4.100mmパーツを活用する
■ レッキーメタルのロートアイアンパーツには、幅が100mmの唐草や唐草パネル、リング、モール、その他いろいろあります。たて子のアキ寸法を100mmにして、2本のたて子の間にパーツを挟んでみましょう。すでにたて子のみで強度は出ていますから、デザインにだけ専念すればよいので簡単ですね。並べて使う、ワンポイントで使う、にぎやかに使う、コテコテに使うなど思いのままデザインしてください。手摺に限らず、フェンス、門扉、窓格子などあらゆる用途の建築装飾に古くから使われてきたロートアイアンで最もポピュラーなたて子組みデザイン手法です。
2-4-1: 「ピッチ」と「アキ」の違いに注意
「ピッチ」とは、例えばたて子とたて子の中心線の間隔、親柱と親柱の中心線の間隔寸法のことを言います。「アキ」とは、たて子と隣のたて子や親柱との隙間のことを言います。100mmパーツを挟む場合は「アキ」が100mmある必要があります。ですから「ピッチ」の方はたて子の太さによって変化します。図Aに12mmたて子を使用した場合のピッチとアキの関係を示しました。図Bは14mmたて子、図Cは16mmたて子の場合です。各図で親柱間のピッチに違いが出ることに注目してください。
2-4-2: リング系の100mmパーツを挟む
フラットバー、角棒、丸棒を加工した100mmリングがあります。図Aのように横並びに配置し接点を溶接した場合、中桟を入れたような強度効果が出ます。
図Bはボーダー用唐草パネルとしてカタログに載っているパーツ295.10.013です。材料はΦ12mm丸棒です。たて子が同寸の角棒の場合はデザイン的におかしくはなりませんが、丸棒のたて子に角棒やフラットバーのパーツを合わせるのは避けましょう。
また、パーツの材料がたて子の材料より太いまたは幅がある組合せも避けましょう。図Cの070.10.216は材料が16X8mmですので、たて子も16mm角棒に変更しました。
2-4-3: リングで中桟を省略する
リングを横に連結して横桟の代用にすると、図Aのようにたて子をハンドレールから離したデザインや、図Bのように上下のレールを取り去ってしまうデザインも可能です。
図Cの窓格子や、ハイフェンス、門扉などの高さのあるものにたて子を使うと、長さが足りないので途中で継足す必要が出てきます。その場合溶接カ所がわからないよう入念に仕上げることになります。そんな時、継目と同じ高さにリングを並べバンドを巻くデザインにすれば、継目が隠れ仕上手間が軽減されます。ロートアイアン独特の技法なので製品のグレードアップになります。
2-4-4: カーブしている部分への対応
図Aはバルコニー用たて子パーツを使用した窓手摺(花台)ですか、緩いカーブの所であればリングをR加工せずに組込むのは問題ありません。
図Bは緩いカーブのたて子R手摺にリングを配したデザインです。R外側にわずかな隙間が出来ますが、溶接とその仕上の時に目立たなくなります。さらにバンドを巻けば完全に隠れてしまう上完成時のグレードが格段に増します。R900程度以上のバルコニーや吹抜け手摺、屋外フェンスなどにご利用ください。
2-4-5: リング以外の100mmパーツを2種類以上使う
図Aの100mm唐草にはパーツカタログVol.5012ページ掲載のエアハンマー叩き伸ばし製唐草パーツです。096.33.523と266.33.523を使いました。中桟が一本流れていますが、たて子を挟む形で表裏についています。一般鋼材のフラットバー4.5X19です。
図Bでは3種類の唐草パーツを使いました。横桟は図A同様たて子を挟んで裏表にあります。親柱脇のS唐草が横桟の間を通り抜けているのがお分かりでしょうか。このようなデザインもダブルの横桟ならではですね。
図Cでは、長尺のモールをカットし、しかも親柱に沿って縦使いにしてみました。中央のポイントには270.10.024を4個まとめて使いました。
12や14mmシリーズにはない変形のC唐草が16mmタイプにありますので、図Dで使ってみました。たて子が模様より同じか太くなくてはいけない原則ですので、この例の場合も16X16のたて子です。唐草は281.20.043と287.20.043です。
■ レッキーメタルのホームページからはパーツのCAD図がダウンロードできます。前もってレールや親柱とたて子を描いた図面上で100mmパーツをあれこれ入れ替えたり、並べ方を変えたりシュミレーションすることが簡単にできますのでご活用下さい。ダウンロードの方法はデザインサポートトップページにございます。