2.たて子デザインのアレンジ・・・5.数本のたて子にまたがるパーツと組む|ロートアイアン鍛鉄製品のレッキーメタル

2.たて子デザインのアレンジ・・・5.数本のたて子にまたがるパーツと組む

■ いままでは主に小さめのパーツをたて子にくっつけるデザインをご紹介してきました。ここのページでは少し大きめのパーツをたて子と組むデザインをいくつかご紹介しましょう。いくつか注意点があります。今までと違い、唐草パネルの方がたて子の材料より大きいか同じであることが原則となります。また、丸棒のパーツに角棒のたて子を直結させると見苦しくなりますので工夫が要ります。パネルの曲げ加工は非常に難しいので、R手摺やRフェンスへの使用は避けましょう。ただ、今までよりデザインのバリエーションが大幅に広がりますので、たて子主体デザインの総仕上げ的位置づけで、どうぞたくさんオリジナルデザインを生み出してください。

2-5-1: 唐草パネル551.33.043と組む

同じ唐草パネルでも向きや置く場所で表情が変わる
Fig.2-5-1 同じ唐草パネルでも向きや置く場所で表情が変わる

 唐草パネル551.33.043の材料は16X8mmフラットバーです。16mm以下のたて子なら原則を破らずに使うことができます。2-5-1では12mmシリーズたて子を使っています。
図Aはサラッとした装飾感になりますが、プレーンのたて子ではさすがに寂しくなります。模様のあるたて子を入れてみました。御覧の通り、唐草パネルにぶつかったらたて子の方を切断します。たて子の模様部分で唐草パネルに当たってしまうと加工、見た目とも厄介なので、たて子選びには注意しましょう。
図Bでは唐草パネルの長手方向を縦に使いました。中心付近が寂しくなるので、唐草付きのたて子127.40.024を入れてみました。
図Cは図Aにさらに唐草パネルを増やしました。たて子はプレーンに戻したので少し影が薄くなりました。ブッシュを曲線的配置に加えるのも可愛いかもしれませんね。

2-5-2: 唐草パネル016.33.216と組む

横長感が出てゆったりしたデザインの表情に変わる
Fig.2-5-2 横長感が出てゆったりしたデザインにも、コテコテ感たっぷりのデザインにも

 唐草パネル016.33.216も材料は16X8mmフラットバーです。このパーツは他でもいろんなシーンで便利に使える唐草パーツのひとつです。引き続き12mmシリーズたて子を使っています。ただ困ったことに、図Aの一部の接点でたて子がうまくぶつかりません。中ほどに小さなC唐草442.20.042が入っていますが、解決策の一つとして覚えておくと便利です。
図Bは唐草パネルの長手を縦につかい、背中合わせ2個一組が織りなすパターンを並べました。たて子はうまくぶつかってくれましたが、もう単に隙間を埋めているようにしかみえなくなりましたね。

2-5-3: 唐草パネル184.33.044と組む

Fig.2-5-3

 唐草パネル184.33.044はもともとアーチや門扉の上枠飾りとして想定された唐草パネルです。これをたて子と合わせてみます。図Aでは先に背中合わせに一組にしてからたて子のなかに挿入し、唐草内部のたて子を消していく手順で作図しています。図Bはスパンの上下左右に唐草パネルを張り付かせ、中央に005.20.042を4個まとめたパターンを入れたものです。

2-5-4: 大きな唐草パネルを組む

Fig.2-5-4 大きな唐草パネルとたて子との隙間の空きすぎに注意

 図Aでは最大級クラスの唐草パネル049.33.192(★=取寄せ扱品)をボトムレールに接するように配置しました。いっぺんに大きな面積を埋めることができ、作図や製作の時間も減らせます。上部は短いたて子の連続ですこし退屈なのでC唐草を親柱脇に置きました。
スパン中心と親柱に接するように唐草パネルを傾けて配置した例が図Bです。中心のたて子との接続がうまく行かないので、C唐草をかませて処理しました。隣のスパンでは模様全体を上下ひっくり返しています。
図Cでは、唐草パネル113.33.042の凹みが大きな部分が出来てしまったので、872.88.042円形パネルの突起部を空き空間に突っ込むような配置にしました。親柱との空き下弦の部分も小さなS唐草を付けてみました。

2-5-5: ワンポイントシンボルを組込む

Fig.2-5-5 装飾付きたて子や親柱をうまく使ってワンポイントシンボルとのバランスを考える

 図Aでは唐草パネルの葉の先端がたて子に当たります。葉の根元などを加熱して手前に曲げれば回避できます。図Bの唐草は枠材に乗っているので葉の裏にたて子が通せます。図Cのアートワークパーツは枠材がたて子の材料より細いので、緩いRを付けたフラットバーでたて子を見切りました。図Dに使用したコサージュ系のパーツは、草花の部分で前後にかなりの奥行を持っていますので、現場に取付けたとき有効幅などに支障がないよう注意してデザインして下さい。Fig. 2-5-5に使用したようなのシンボルパーツは裏表があるものも多いのでご注意下さい。

2-5-6: たて子の前面にパーツを張付ける

Fig.2-5-6 たて子を切断せずに前面に張付けるデザイン。

 2-5-6は、たて子は切断せずに、たて子の前面にパーツを張付ける方法です。その結果裏表がはっきり出てしまいますのでご注意ください。模様側がかなり盛り上がる場合が多いので、この点も留意しましょう。組立の手間は2-5-1~2-5-5に比べ格段に軽減されます。パーツの裏側とたて子の間に出来る隙間は、塗装時に塗り残されてしまいますから、錆の発生源となります。カチオン塗装で仕上げるか、あるいは室内で使用するものであってもまず溶融亜鉛メッキで錆止めする方法をお勧めします。

■ 唐草パネルは、単独のパーツを複数まとめて、よく使われる用途に適したパーツに予め組立ててあるパーツです。単独パーツをいちいち手間をかけてお客様側で組むよりコストパフォーマンスに優れます。是非ご活用ください。