1.デザイン手順とパーツ選び・・・1.パーツの使われ方
■ レッキーメタルのロートアイアンパーツにはたくさんの種類があります。まず最初に、どこに使うパーツなのか、どのような使われ方をするパーツなのかという面から見ていきましょう。
1-1-1: 手摺に使われるパーツ
まず最初に手摺を例にして説明します。
もっともオーソドックスな手摺の構成は、親柱を何本か建てて、ハンドレールとボトムレールを流し、できた空間をたて子や唐草で埋めていくという手法で、強度的にも優れ、現場での取付も簡単です。
1-1-2: 門扉に使われるパーツ
門扉に使われるパーツはヒンジや落とし棒、錠、レバーハンドルといった、機能に関連したパーツが必須となります。機能性プラスロートアイアンの装飾性を兼ね備えたパーツがレッキーメタルには数多くあります。
扉枠や門柱(支柱)には角パイプがよく使われます。4コーナーに槌目風模様の付いた角パイプは中の模様が同じようなマチエールの場合に枠や門柱をマッチさせるのに適しています。
1-1-3: フェンスに使われるパーツ
たて子や親柱の間隔を100mmに設定することで、あいだにいろんな種類の100mm巾パーツを自由にはめ込んでデザインできます。手摺、フェンス、門扉、窓格子など何にでも使えます。基本的なC唐草、S唐草、リングと、その変形など数多くの100mm巾パーツがそろっています。100mmのほかに、110mmと125mmのシリーズもあります。基本的な100mm巾パーツのほかに、剣先、ブッシュ、コサージュなどを足していくと、たくさんのバリエーションのフェンスその他がデザインできます。
1-1-4: サインアームに使われるパーツ
袖看板(突出し看板)を吊るすためのアームには、古くからロートアイアンがよく使われてきました。Fig.1-1-4図中の写真はザルツブルグ(オーストリア)旧市街の店舗看板で、看板本体(サインフェース)と腕木部(サインアーム)と補助パーツで構成されているのがよくわかります。
アームは腕木、サポート、ベースプレートの、大きくわけて3種類の部分で構成されていますが、それぞれにレッキーメタルのパーツを選択、応用することで、さまざまなパターンのサインアームをデザインできます。3種類の部分のほか、サインフェースを吊るフックや、振止めなども必要に応じてレッキーメタルのパーツを利用できる場合も多いですから、いろいろなパーツの組合せに是非チャレンジしてください。
レッキーメタルでも数種類の組立済みサインアームが発売されています。また、予め設定したパーツをチョイスして組合せるセミオーダーサインもご用意しています。
■ いかがですか? これらの例のようにレッキーメタルのロートアイアンパーツを並べたり差し込んだり、又は継足したりして溶接で組み立てていけば、自然にヨーロッパテイストの建築の装飾金物が作れます。まず、取付ける場所の雰囲気や寸法を把握しましょう。それをベースにパーツをアレンジしていけばよいわけですね。ただし高さや幅の寸法を出すために、どうしても長尺材やたて子は寸法切断する必要はあります。いずれにせよ、ごく普通の鉄工所の道具・機械で加工できますので、安心してオリジナルのデザインをなさってください。